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流産後の妊娠で、ベビー用品を買うのが怖い。
必要になることは分かっている。お店へ行こうと思えば行ける。それでも、小さな肌着や布団を家へ迎えた瞬間に、また何かが起きる気がして動けない。
僕たち夫婦が出産準備を始めたのは、臨月に入ってからでした。それまでは「何があるか分からない」「今生まれたら助からないかもしれない」という怖さが先に立ち、赤ちゃん用品を買う気持ちになれなかったのです。
これは医療データを冷静に計算して出した結論ではありません。一度失った記憶があるから、期待を形にするのが怖かった。僕たちにとって、ベビー用品を買うことは単なる買い物ではなく、もう一度未来を信じる行為になっていました。
この記事では、僕たちの実体験をそのまま正解にはせず、流産後の妊娠で出産準備を始められない時に、何からなら動けるのかを整理します。
- 買えないうちは、買わずに「調べる・確認する・分ける」だけでも準備です。
- 出産準備を始める時期は一律ではありませんが、すべてを臨月まで残す必要もありません。産院の案内を基準に、入院と退院直後に必要な物から小さく揃えます。
- 病院でもらえる物は買わない、短期間しか使わない物は借りる、赤ちゃんによって合う物が違うなら産後に買うと分けると、気持ちと出費を抑えられます。
- 夫側は、妻に買い物の判断を丸投げせず、産院への確認、リスト化、レンタル比較、置き場所の採寸を引き受けると支えになります。
「うれしい気持ちで買わなければ」と頑張らなくて大丈夫です。不安を抱えたままでも、必要な準備はできます。
流産後の妊娠でベビー用品を買うのが怖いのはなぜ?
流産を経験していない人にとって、ベビー用品を選ぶ時間は、赤ちゃんに会う日を思い描く楽しい準備に見えるかもしれません。
けれど、流産後の妊娠では、同じ買い物に別の意味が重なります。
- 買った直後に何か起きたら、その用品を見るたびにつらくなりそう
- 喜んだ分だけ、また失った時に立ち直れなくなりそう
- 無事に生まれる前提で動くことが、油断のように感じる
- 周囲から「もう安心だね」と言われることにも身構えてしまう
理屈では、ベビー用品を買ったことと妊娠経過に関係がないと分かっています。それでも心は、「期待しすぎなければ傷が少なくて済む」と考えます。
心が守ろうとしているもの
期待を小さくして、もしもの時の衝撃を減らそうとする。買わないことは怠けではなく、自分を守るための行動になっています。
現実に必要なこと
出産や退院後に困らない最低限を、体調と産院の案内に合わせて準備する。喜びを演じなくても、実務として進められます。
「怖がらないようにする」より、「怖くても進められる単位まで準備を小さくする」。この考え方の方が、流産後の心には合うことがあります。
こども家庭庁は、流産・死産を経験した人の悲嘆は自然な反応であり、気持ちの表れ方や回復の経過には個人差があると案内しています。日本産科婦人科学会も、流産後に抑うつや不安が強くなる場合があると説明しています。次の妊娠が進んだからといって、前の悲しみが消えなければならないわけではありません。
僕たちは臨月まで買えなかった
僕たちがベビー用品を買い始めたのは、臨月に入ってからです。
それまでは、何があるか分からない。もし早く生まれたら助からないかもしれない。そんな怖さがあり、赤ちゃんを家に迎える準備へ気持ちを向けられませんでした。
臨月に入ってから妻とアカチャンホンポへ行き、オムツ、肌着、布団など、新生児に必要な物をまとめて揃えました。
夫婦で大きな温度差はありませんでした。ただ、どちらかといえば僕は、妻が動き出すのを待っていました。男の自分には分からない物ばかりだと思い、何を買うかの判断を妻に委ねていたのです。
今振り返れば、分からないから待つだけではなく、産院の持ち物を確認したり、レンタルできる物を調べたり、僕にも先にできることはありました。
僕たちが臨月まで待ったことを、この記事で全員へ勧めたいわけではありません。臨月に入る前に入院や出産になる可能性もあり、体調が変われば買い物へ行けなくなることもあります。
一方で、「安定期になったのだから、すぐ笑顔で買い始めるべきだった」とも思いません。あの時の僕たちには、あの時間が必要でした。
大切なのは、何週で買えたかを競うことではなく、出産時に困らない形へ少しずつ近づくことです。
出産準備はいつから?「買い始める日」だけで考えない
「ベビー用品はいつから揃える?」と検索すると、安定期に入ってから、妊娠7〜8か月頃までに、など複数の目安が出てきます。
松江市立病院の出産準備資料では、ベビー用品の準備は安定期に入った後、妊娠28週頃までを一つの目安とし、入院・産後用品のバッグも28週頃から準備するよう案内しています。
ただし、流産後の妊娠で「その時期に全部買う」と考えると、心が追いつかないことがあります。そこで、出産準備を次の4段階に分けます。
買わずに情報だけ集める
産院の入院案内を読む、病院から用意される物を確認する、家族から譲ってもらえる物を書き出す。商品を家へ迎えなくても、ここまでで立派な準備です。
入院・退院直後の最低限を決める
母子手帳、診察券、入院書類、産院指定の持ち物、退院時の肌着や衣類など。「生まれたらすぐ必要」に絞ってリストを短くします。
大物は購入・レンタル・譲り受けを決める
ベビーベッド、チャイルドシート、ベビーカーなどは、使う期間、置き場所、生活動線を見て決めます。買う以外の選択肢も先に比較します。
赤ちゃんに合わせる物は産後へ回す
授乳用品や衣類の買い足しなど、母乳・ミルクの状況、体格、季節によって必要量が変わる物は、産後に家族や通販で補う方法があります。
妊娠経過や出産予定の施設によって、必要な物と用意される物は変わります。切迫早産などで安静や入院の指示がある場合も、一般的な買い物時期ではなく主治医・助産師の案内を優先してください。
最初に揃えるのは「退院後48時間を回す物」
売り場へ行くと、赤ちゃん用品が何十種類も並んでいます。「全部必要そう」と思うと、怖さだけでなく、選ぶ疲れも大きくなります。
最初の基準はシンプルです。
退院して家に着いた日から、次に買い足せるまでを回せるか。
商品ページを開くより先に、この順番で確認します。
| 分け方 | 候補 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 産前に最低限 | 産院指定の入院用品、退院時の肌着・衣類、寝る場所、必要最小限のオムツ類、車ならチャイルドシート | 「初日から使うか」「代用品がないか」で決める |
| 病院へ確認 | オムツ、おしりふき、産褥パッド、授乳用品、ミルク | 用意される量と持ち帰れる範囲を聞いてから買う |
| レンタル候補 | ベビーベッド、ベビースケール、ベビーバス、ハイローチェア、バウンサー、一時的に使う大物 | 使用期間、保管場所、処分の手間、買った場合の総額を比べる |
| 産後でも検討可 | 哺乳瓶の大量買い、ミルクの大量買い、同じサイズの衣類多数、おもちゃ、便利グッズ | 授乳方法、体格、好みが分かってから必要分を足す |
これは「絶対にこの用品が必要」というリストではありません。季節、住まい、移動手段、家族の助け、産院の支給品で答えは変わります。
僕たちは最初、オムツ、肌着、布団など、新生児に必要と思う物をまとめて買いました。今なら、病院で用意される物は買わない、使うか分からない物は待つという線引きを、もっと先にしておきます。
夫は「分からないから妻を待つ」で終わらせない
僕は、赤ちゃん用品のことは男には分からないと思い、妻が動き出すのを待っていました。
妻の体で起きていることや、肌着の細かな違いまで、夫が同じように理解するのは難しいかもしれません。けれど、分からないことと、任せきりにすることは別です。
妻が「まだ買いたくない」と言った時、急かさずに尊重しながら、夫側で進められる準備があります。
持ち物リスト、支給品、入院バッグを用意する時期を一緒に確認する。
妻へゼロから調べさせず、購入・レンタル候補を比較できる状態にする。
ベッドや収納場所、玄関、車のサイズを測り、買って置けない事故を防ぐ。
不足品を誰がいつ買うか、通販の受け取りをどうするかまで引き受ける。
言葉は「いつ買う?」より「何なら今できそう?」
「そろそろ買わないと間に合わないよ」は、正論でも追い詰めることがあります。
代わりに、こう聞く方が進みやすくなります。
- 今日は買わずに、病院でもらえる物だけ一緒に確認する?
- 大物は僕がレンタルも含めて調べて、二つまで候補を絞ろうか?
- ネットで注文できる物は後に回して、退院日に必要な物だけ決めようか?
- お店でつらくなったら、何も買わずに帰ろう
買い物を成立させることより、二人が同じ側にいると感じられること。その方が、次の一歩につながります。
買う・借りる・産後に買うを決めるフロー
勢いで一式を買わないために、用品ごとに次の順番で考えます。
不安と出費の両方を小さくする判断順
「いつか便利そう」ではなく、使い始める日を具体的に考える
支給品、譲り受け、手持ちの代用品を先に確認する
使用期間、保管場所、買い直しの可能性を比べる
退院直後から必要で、長く使う。安全確認とサイズ確認をして購入。
使用期間が短い、大物、合うか分からない。返却条件も確認。
授乳方法、体格、好みで必要量が変わる。少量から買い足す。
レンタルは、物を増やしたくない人だけの選択肢ではありません。買うこと自体がまだつらい時に、必要な期間だけ生活へ置くという始め方にもなります。
短く使う大物は「買わない準備」も選べる
ベビーベッド、ベビーバス、バウンサーなどは、家庭によって使う期間も相性も違います。保管場所や処分まで考えると、最初から購入しない方が合うこともあります。
ベビレンタでは、ベビー用品のレンタルと販売を扱っています。買う前に、必要な期間だけ借りた場合と、購入した場合を比べたい時の候補です。
勢いで一式を揃える前に、産院で用意される物、譲ってもらえる物、レンタルできる物を分けてみてください。
※利用期間、送料、返却条件、商品の状態などを確認し、ご家庭に合う場合だけ利用してください。
買い物中につらくなったら、何も買わずに帰っていい
赤ちゃん用品売り場には、妊婦さん、赤ちゃんを抱いた家族、出産を楽しみにする会話があります。流産後の妊娠では、その明るさに自分の気持ちが追いつかない日もあります。
お店まで行けたのに、入口で足が止まった。肌着を手に取ったら涙が出た。夫婦の片方だけが店内に入り、もう片方は車で待った。
それでも構いません。買えなかった日は失敗ではなく、今はここまでなら近づけると分かった日です。
一人で抱えきれない不安、眠れない状態、生活に強く影響するつらさが続く時は、産婦人科、自治体の相談窓口、心理職などへ相談してください。買い物ができるかどうかで、親になる資格は決まりません。
今なら、あの頃の自分たちへこう伝える
出産準備で本当に先に必要だったのは、売り場の商品を一式そろえることではありませんでした。
- 出産と退院の直後に必要な物だけ準備する
- 病院で用意してもらえる物は、重ねて買わない
- 勢いに任せて買わない
- 短くしか使わない物は、レンタルや譲り受けも考える
- 赤ちゃんに合わせて選ぶ物は、産後に回す
ベビー用品は、どれも長く使うように見えて、実際にはあっという間に役目を終える物があります。
使うか分からない物へ余計なお金を使うより、子どもが少し大きくなった時に使えるお金を残しておく。今の僕は、その方が家族のためになると思っています。
そして、臨月まで動けなかった自分たちにも言いたいです。
準備が遅いから、赤ちゃんを大切に思っていないわけではない。怖かったのは、それだけ無事に会いたかったからです。
よくある質問
流産後の妊娠で、ベビー用品を買うのが怖いのはおかしいですか?
おかしくありません。用品を買うことが未来への期待と結びつき、また失う怖さを強くする場合があります。まずは買わずに、産院の支給品や必要品を確認するだけでも準備です。つらさが生活へ強く影響する場合は、産婦人科や相談窓口へ話してください。
出産準備を臨月まで待っても大丈夫ですか?
僕たちは臨月から買い始めましたが、すべての人に勧める方法ではありません。臨月前に入院や出産になることもあります。妊娠経過と産院の案内を優先し、まず入院・退院直後の最低限だけでも早めに確認しておくと安心です。
ベビー用品は何から買えばいいですか?
産院から指定された入院用品、退院時の衣類、家で眠る場所、必要最小限のオムツ類など、退院した日から使う物を優先します。自家用車で退院する場合はチャイルドシートも必要です。産院の支給品を確認してから買うと重複を防げます。
ベビーベッドやベビーバスは買うべきですか?
住まい、使用期間、保管場所、家族から譲り受けられるかで変わります。短期間しか使わない、赤ちゃんに合うか分からない、処分が負担という場合はレンタルも比較してください。安全基準、商品の状態、送料、返却条件の確認も必要です。
夫婦で準備を始める時期が違う時はどうすればいいですか?
「いつ全部買うか」を決めるより、「今日は病院の支給品だけ確認する」など一段小さくします。準備したい側が相手を急かさず、調査や採寸、候補の絞り込みを担当すると、気持ちを尊重しながら実務を進められます。
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流産後の妊娠でベビー用品を買うのが怖い時、無理に楽しそうな親にならなくて大丈夫です。
買わずに調べる。病院へ確認する。最低限だけ買う。短く使う物は借りる。赤ちゃんに合わせる物は産後に回す。
準備を小さく分ければ、怖さを消せなくても前へ進めます。僕たちが臨月に入ってようやく買えたように、心が動ける時期は人それぞれです。
早く喜べることより、二人で無理をしない形を見つけること。それが、その時の家族にとって一番現実的な出産準備なのだと思います。